OBOG交流会「わかば食堂」について
わかば食堂は、2025年4月に新設された東京都の自立支援強化事業における「交流会開催経費」を活用し、定められた予算の範囲で実施しています。
この取り組みの背景には、施設を退所した若者たちが、退所後に孤立しやすくなり、職員と交流する機会が減ることで、つながりが途切れてしまうという課題がありました。
退所した若者が職員に相談しやすい環境を保障するために、東京都が本制度を新たに創設してくださいました。
私たちは、この制度に込められた背景や趣旨を受け止め、その考えに沿う形で制度を活用しています。

これまで目黒若葉寮では、退所者のための交流会は年に1度のみ行っていました。
しかし、制度が始まって間もなく、この機会を継続的な関わりにつなげたいと考え、毎月の開催を決めました。
「人とのつながりを保ち、孤立を防ぐことが、自立を支える土台になる」
こうした考えを共有し、昨年の6月に「わかば食堂」がスタートしました。
施設を退所し、仕事や生活に追われる日々の中で、食事に時間や手間をかけずに過ごしている若者は決して少なくありません。
そのような中で、ふと足を運び、温かい食事を囲みながら他愛のない話をする。
わかば食堂では、そうした時間を大切にしています。
退所者と施設の職員が定期的に顔を合わせ、食事を通してゆるやかに交流を重ねることで、退所者にとって、安心してつながり続けられる人や場所、居場所が少しずつ生まれています。

また、わかば食堂で使用している食器や備品の一部は、この取り組みの趣旨に賛同し、ご寄付くださった方々からお預かりしたものです。
食事の場を支えるこうしたご協力により、若者たちが落ち着いて食卓を囲める環境が整っています。心より感謝申し上げます。
あわせて、このような取り組みを後押しする制度を設けてくださった東京都にも、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
現場での支援だけでは継続が難しい関わりを、制度として支えていただいていることは、私たちにとって大きな支えです。
「わかば食堂」のコラムをご覧になり、「少し贅沢ではないか」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、わかば食堂が大切にしているのは、料理そのものの豪華さではありません。
手作りのごはんを食べながらともに過ごす時間。
日々の緊張から少し離れ、ほっと一息つけるひととき。
特別なことをしなくても、同じ空間で一緒に過ごす時間。
そうした時間の積み重ねが、若者たちが次の一歩を踏み出すための力につながっていくと、私たちは考えています。
自立とは、ひとりで抱え込み、努力し続けることではありません。
人との関わりの中で力を取り戻し、少しずつ自分の生活を整えていくこと。
わかば食堂は、制度の趣旨を大切にしながら、その過程をそっと支える居場所であり続けたいと考えています。



