短期集中シリーズ「わかばと東北③ ~『つながり』ってなんだろう~」
目黒若葉寮の子どもたちは、2014年から毎年、東北の方々とボランティアという形で関わりを続けてきました。
現在、5回にわけてその取り組みについてコラムで振り返っているところです。
今回も前回と同様、2018年のボランティアの後に子どもたちがスピーチをしたものを一部抜粋します。
今回の東北ボランティアで僕が一番、印象に残ったのは荒浜小学校というところです。荒浜小学校は被災し廃校となり、現在は震災の資料館になっているところで、当時の様子がそのまま残されているところも多くありました。
震災直後は避難所としても使われていたところだったということで保存食や簡易トイレなどの展示もあり、「もし自分たちが被災したらこういう生活になるのか」などとイメージしながら見てまわることが出来ました。
また、ある教室の黒板にはチョークで「荒浜小がんばれ」とか「ありがとう!」などのメッセージが目一杯書かれていました。震災前の様子を映した写真もたくさん貼られていましたが、実は今後の荒浜地区の人々の生活の場は内陸に移り、いままで通りの場所には暮らせないことが決まっているそうです。この荒浜地区を好きな人たちがもうそこに住めないのかと思うとやりきれない気持ちになりました。急に生活の場が変わる不安や悲しみは僕にも経験があったからです。
しかし、語り部ボランティアの方から、震災以降中止されていた灯ろう流しが今年から再開されたと聞きました。もっとこうやって荒浜地区に住んでいた人が集まれる機会が増えればいいなと思いました。僕たち自身も将来、若葉寮を出たあと、何かあったら帰れる場所、困った時に集まれる仲間の輪がもっとあると安心できると思います。被災地でも施設でもどこであれ将来の不安をかき消すにはきっと人と人とのつながりが何より大切なんだろうと思います。
僕は今、高校2年生で来年が若葉寮での東北ボランティア最後の年になるので、そこでも何か今までは感じたことのないものを感じられるといいなと思います。そして、この先もボランティアなどを通して多くの人々と関わり、困難を乗り越えていくためのヒントを一緒に考えていくという、いまの若葉寮のスタイルが続いていってくれればいいなと思います。
毎年「ボランティアというからには~」ということで、畑や庭のお手伝いなど地域の方々の助けになるために、と思っていましたが、同じか、それ以上にそこでのエピソードや地元の方々とのお話に触れるということの重要性に気づかされる発表でした。
写真は、畑などでのボランティア活動や、荒浜小学校に訪れたときの様子です。
皆さん真剣な表情で、普段の生活の様子しか知らない職員はいざという時みせるこの表情に感動や頼もしさを感じます。
明日からは2019年の活動の様子をお伝えします。