短期集中シリーズ「わかばと東北⑤ ~今日からが本当のスタート~」

目黒若葉寮の子どもたちは、2014年から毎年、東北の方々とボランティアという形で関わりを続けてきました。
現在、5回にわけてその取り組みについてコラムで振り返っているところです。

 

前回と同様、2019年のボランティアの後に子どもたちがスピーチをしたものを一部抜粋します。

今回のボランティアを通して気付いたことがあります。

東北の人々は決してかわいそうな人たちではありませんでした。東北地方は悲惨な場所でもありませんでした。今でも力強く前を向き、郷土に誇りを持ち、希望を抱いて暮らしている姿にいつの間にか私たちは勇気をもらっていました。

また、防災のことだけでなく私たち自身がこれからの社会を生き抜いていくヒントを受け取った気もしました。それはつまり、児童養護施設で暮らす私たちも様々な事情があるにせよ決して「ただのかわいそうな子ども」ではないはずだということです。

私たちが東北地方に励まされたように、私たちも誰かの力になれるかもしれない、いや、なれるはず、という想いをいま強く持つことができています。

私たちはいま高1なので目黒若葉寮での東北ボランティアは再来年が最後の予定です。これからも受け入れて下さる地域、人々に感謝の気持ちを忘れずに活動したいです。また、これからもこの活動がずっと続けばいいなと思っています。いつかまた、今年のメンバーで東北で会えることを夢見て。

東北の皆さま、ボランティア団体としてはまだまだ未熟な我々を、それでも毎年快くお受け入れ頂き本当にありがとうございます。

一つ間違いないことは、この活動を通じて目黒若葉寮の子どもたちは大人が思っている以上に大きな成長を遂げているということです。
未だ様々に不安定な世の中ですが、東北復興支援ボランティアに対する子どもたちのモチベーションは全く落ちていません。

先日、また大きな地震がありましたが、目黒若葉寮の子どもたちはそれほど慌てることなく、落ち着いて行動することができていました。
このことは、子どもたち一人ひとりがこのボランティアをただのレクリエーションと捉えずにしっかりと学び、それを実際に活かすことができたという意味において、一つの成果を表していると思っています。

東北地方での体験や皆さまとのふれあいは、子どもたちの誇りであり癒しとなっています。
おそらく、目黒若葉寮のどのホームでもそんなボランティアでの話題が繰り広げられながら、今日という日を迎えていると思います。

必ずまた行きます。行かせて下さい。今後ともよろしくお願いいたします。



2021311日 目黒若葉寮

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